cos36°を暗記で終わらせないで!

cos36°を暗記で終わらせないで!

前回の記事

で、「cos36°は良い子(4・1・5)」で、何も考えずにマーク式の問題を当てちゃおう!

とゆー、何とも小手先なテクニックを紹介しましたが…

めぐろ塾の安田

それで完勝できるほど大学受験数学は甘くない!

STEP
cos36°や黄金比の問題が、マーク式・記述式を問わず、大学受験で出まくってる!

作問ミスも起きない、優秀な受験生は絶対解ける。

皆がハッピーな出題です(笑)

STEP
解きすぎて、値まで覚えちゃう…

僕は人生で100問以上解いて、20問以上打ち込んでる(笑)

理系で優秀な受験生であれば、10問程度は経験して受験するでしょう。

STEP
マーク式だったら論証するのやめちゃお~

これが黄金比とcos36°との、大学受験数学での正しい付き合い方です。

めぐろ塾の安田

今回の記事ではSTEP1とSTEP2にフォーカスするね!

目次

記述式でも頻出なんだよ…

最近の有名大での記述式の出題だと…

2020中央大商第Ⅱ問

2020中央大商
めぐろ塾の安田

中央大って商学部でもいろいろあるんだよね(笑)東進の過去問データベースによると、「商学部(会計、商業・貿易)」らしいです

(3)で「cos36°の値」が問われていますが、記述式なので「良い子(4・1・5)」で当てても…論証しないとねぇ…(笑)

めぐろ塾の安田

値当ててれば、暗記してるって意味で数点くれるかもしれませんが、この問題を完璧に解けないようだと…落ちるでしょ(笑)

実はこの問題の解説って、既にこれまでの記事でやっちゃってるに等しいんですよ。

の『正五角形』の図の赤の二等辺三角形を…

正五角形6

というように青の三角形の中に移動させて、正五角形を登場させないようにしただけ、正五角形の対角線 \(l\) を1に変えて。

因みに、上の図のからを除いた二等辺三角形は、前回の記事冒頭の二等辺三角形と合同なので、この二等辺を半分に割った直角三角形からcos36°を考えるのは明らかです。

解答

めぐろ塾の安田

いらね~と思うけど、一応この問題の解答作っとく?(笑)

2020中央商図
STEP
角度が上の状態なのは知ってんすけど…論証します、真心込めて。

(1)

△\(\textrm{BCD}\) に注目して、

\(∠\textrm{BDC}=180^\circ-∠\textrm{BCD}-∠\textrm{CBD}\:\)\(=180^\circ-∠\textrm{ABC}-\displaystyle\frac{∠\textrm{ABC}}{2}\:\)\(=72^\circ\) (答)

STEP
二等辺ばっかって知ってますが…論証します、誠意を込めて。そんで頂角36°の二等辺三角形の相似を利用

(2)

(1)より、

\(∠\textrm{BDC}=∠\textrm{BCD}\)

よって \(△\textrm{BCD}\) は二等辺三角形であり、\(\textrm{BC}=x\) とすると、

\(\textrm{BD}=\textrm{BC}=x\)

ここで \(△\textrm{ABC}\) に注目すると、

\(∠\textrm{BAC}=180^\circ-2∠\textrm{ABC}\:\)\(=36^\circ\:\)\(=∠\textrm{ABD}\)

よって \(△\textrm{DAB}\) は二等辺三角形であり、

\(\textrm{AD}=\textrm{BD}=x\)

∴ \(\textrm{CD}=1-\textrm{AD}\)\(=1-x\)

\(△\textrm{ABC}\) ∽ \(△\textrm{BCD}\) より、

\[\begin{split}&\textrm{BC}:\textrm{AB}=\textrm{CD}:\textrm{BC}\\\Leftrightarrow\:\:&x:1=(1-x):x\\\Leftrightarrow\:\:&x^2=1-x\\\Leftrightarrow\:\:&x^2+x-1=0\end{split}\]

\(x>0\) より、解の公式から、

\(x=\displaystyle\frac{-1+\sqrt{5}}{2}\) (答)

STEP
二等辺三角形DABを半分に割らせて頂きます

(3)

図の直角三角形 \(\textrm{AHD}\) に注目することで、

\(\cos36^\circ=\displaystyle\frac{\textrm{AH}}{\textrm{AD}}\:\)\(=\displaystyle\frac{\displaystyle\frac{1}{2}}{\displaystyle\frac{-1+\sqrt{5}}{2}}\:\)\(=\displaystyle\frac{1}{\sqrt{5}-1}\:\)\(=\displaystyle\frac{\sqrt{5}+1}{4}\) (答)

これまでの記事の内容を知ってれば、間違えようがないでしょ?

とゆーわけで、ここからは大学受験数学で知っておいた方がいいcos36°の導出を紹介していきます。

めぐろ塾の安田

ここからは、\(36^\circ=\displaystyle\frac{\pi}{5}=\theta\) として、特に断りなく \(\cos36^\circ=\cos\theta=c\:,\:\)\(\sin36^\circ=\sin\theta=s\) って書いちゃう

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文理共通範囲でのcos36°の導出

正五角形の利用

概要

前々回の記事の『正五角形』から前回の記事冒頭の流れ、と同様の導出ですが、ここでは『トレミーの定理』を用いて、正五角形の対角線を時短で求める方法を紹介します。

めぐろ塾の安田

5年前くらいに先輩が教えてくれた(笑)

導出

一辺の長さが1、対角線長さが \(l\) の正五角形 \(\textrm{ABCDE}\) について、\(∠\textrm{BAC}=108^\circ\:,\:\:\)\(∠\textrm{ABC}=\displaystyle\frac{180^\circ-108^\circ}{2}=36^\circ\) である。

正五角形7
めぐろ塾の安田

前々回の記事の『円に内接するn角形』で話した正n角形は、当たり前に円に内接することを使うよ!『トレミーの定理』は、円に内接する四角形では、「(対角線の長さの積)(対辺の長さの積の和)

四角形 \(\textrm{BCDE}\) は円に内接するので、トレミーの定理より、

\(l\cdot l\:\)\(\:=\:\)\(\:l\cdot1+1\cdot1\)

\[\Leftrightarrow\:\:l^2-l-1=0\]

\(l>0\) より、解の公式から、\[l=\displaystyle\frac{1+\sqrt{5}}{2}\]

上図の直角三角形に注目することで、

\[\cos36^\circ=\displaystyle\frac{l}{2}=\frac{1+\sqrt{5}}{4}\]

2倍角と3倍角の公式の併用(チェビシェフ多項式)

概要

\(\theta=36^\circ=\displaystyle\frac{\pi}{5}\) は5倍することで有名角 \(180^\circ=\pi\) となります。

文理共通範囲では5倍角の公式の導出が面倒なため、5=2+3より、暗記が推奨されている2倍角と3倍角の公式で \(180^\circ=\pi\) を登場させる方法が有名です。

めぐろ塾の安田

2倍角と3倍角の公式を覚えてない人、必ず暗記しておこう!

2倍角の公式

\[\begin{split}\sin2\alpha&=2\sin\alpha\cos\alpha\\\cos2\alpha&=\cos^2\alpha-\sin^2\alpha\\&=1-2\sin^2\alpha\\&=2\cos^2\alpha-1\end{split}\]

めぐろ塾の安田

↑は加法定理からすぐに導けるけど、良く使うから全部丸暗記

3倍角の公式

\(\sin3\alpha=\:\)\(3\:\)\(\sin\:\)\(\alpha\:\)\(-\:\)\(4\:\)\(\sin\)\(^3\)\(\:\alpha\)

サンシャインひいて風がにしみる

\(\cos3\alpha=\:\)\(4\:\)\(\cos\)\(^3\)\(\:\alpha\:\)\(-\:\)\(3\:\)\(\cos\:\)\(\alpha\:\)

さんこすりましょう

めぐろ塾の安田

↑は使用頻度は高くないけど、できる人は暗記しておくのが普通

cosの3倍角の語呂合わせを授業で教えると…

男どもが「下ネタだ~」って喜びだすんだけど…(笑)

めぐろ塾の安田

変な想像するな!こっち↓の「こする」だっ!!

こする

下図の対称性(補角公式でも良い)から、

チェビシェフ

誘導がつく場合はcosでの立式が要されるケースの方が多いんだけど、自分で導くときはsinの方が楽です。

めぐろ塾の安田

チェビシェフ多項式では、\(n\) を自然数として \(\sin n\alpha\) が \(\sin\alpha\) でくくれることを約束してるから、sinで立式するとすぐに \(\sin\theta\) で割れて楽なんだよね。
この文章は理解しなくてもオッケー。チェビシェフって言葉も覚えなくてオッケー(笑)

導出

\(\theta=36^\circ\) について、

\[\begin{split}\sin3\theta&=\sin(180^\circ-2\theta)\\&=\sin2\theta\end{split}\]

めぐろ塾の安田

左辺に「サンシャインひいて夜風が身にしみる」、右辺に2倍角の公式を使うよ!

よって、

\[3\sin\theta-4\sin^3\theta=2\sin\theta\cos\theta\]

\(\sin\theta\neq0\) より、

\[\begin{split}&3-4\sin^2\theta=2\cos\theta\\\Leftrightarrow\:\:&3-4(1-c^2)=2c\\\Leftrightarrow\:\:&4c^2-2c-1=0\end{split}\]

\(c>0\) より、解の公式から、

\[c=\cos36^\circ=\displaystyle\frac{1+\sqrt{5}}{4}\]

理系専用範囲でのcos36°の導出

執筆時2022年度では完全に理系専用範囲の「複素数平面」の知識を用いた導出も有名です。

極形式で5倍角の公式を立式

概要

前項で「文理共通範囲では5倍角の公式の導出が面倒」と言いましたが、理系専用範囲の「極形式」と「ド・モアブルの定理」を用いれば、比較的簡単に5倍角の公式を導くことができます

ド・モアブルの定理

任意の整数 \(n\) に対して、

\[(\cos\alpha+i\sin\alpha)^n=\cos n\alpha+i\sin n\alpha\]

が成立する

めぐろ塾の安田

ここでは極形式 \(z=r(\cos\alpha+i\sin\alpha)\)(\(r>0\))の絶対値 \(r=1\) にした簡単バージョンしか使わないので、↑のみ紹介します。加法定理の逆利用で証明できるけど、これも割愛(笑)

「二項定理」も使うので一応紹介しますが…

めぐろ塾の安田

「二項定理」なんて暗記する価値もないよ(笑)

高校入ってからすぐに、絶対暗記させられる展開公式

\((a+b)^3=a^3+\:\)\(3\)\(a^2b+3ab^2+b^3\)

の各項の次数は全て3だよね?これは、

\((a+b)^3=(a+b)(a+b)(a+b)\)

ってゆー3つのカッコ1つずつから \(a\) と \(b\) のどっちかを持ってきて展開してるから。

めぐろ塾の安田

じゃあ次に上の \(3\) の意味を考えてみよう!

\(a^2b\) は \(b\) を1個持ってきてる。

\(b\) を3つのどのカッコから持ってくるかで \({}_3\mathrm{C}_1=3\) ってこと。

めぐろ塾の安田

「二項定理」ってのは、これをn乗に拡張しただけ。
n個のカッコをイメージしよう!

\(b\) を \(0\) 個持ってきた場合、\(a\) は \(n\) 個で、\(b\) を持ってくるカッコの選び方は \({}_n\mathrm{C}_0\)
\(b\) を \(1\) 個持ってきた場合、\(a\) は \(n-1\) 個で、\(b\) を持ってくるカッコの選び方は \({}_n\mathrm{C}_1\)
\(b\) を \(2\) 個持ってきた場合、\(a\) は \(n-2\) 個で、\(b\) を持ってくるカッコの選び方は \({}_n\mathrm{C}_2\)



\(b\) を \(n-1\) 個持ってきた場合、\(a\) は \(1\) 個で、\(b\) を持ってくるカッコの選び方は \({}_n\mathrm{C}_{n-1}\)
\(b\) を \(n\) 個持ってきた場合、\(a\) は \(0\) 個で、\(b\) を持ってくるカッコの選び方は \({}_n\mathrm{C}_n\)

二項定理

\(n\) を自然数とすると、

 \((a+b)^n\)\(\:={}_n\mathrm{C}_0a^n+{}_n\mathrm{C}_1a^{n-1}b+{}_n\mathrm{C}_2a^{n-2}b^2\)\(\:+\:\cdots\cdots\)

\(\:+\:{}_n\mathrm{C}_{n-1}ab^{n-1}+{}_n\mathrm{C}_nb^n\) 

めぐろ塾の安田

「二項定理」の証明が出題された場合、上の流れを書ければオッケーとされています!僕は一応帰納法で証明するけど(笑)

全体の流れとしては、

STEP
\((\cos\theta+i\sin\theta)^5\:\)\(=\cos5\theta+i\sin5\theta\) の…

左辺を二項定理で展開して、両辺の実部(\(i\) がついてないとこ)と虚部(\(i\) がついてるとこ)を比較するんだけど…

めぐろ塾の安田

因みに、虚数単位 \(i\) について、\(i^2=-1\)

STEP
虚部のみを比較

次のSTEPから言って、ほぼほぼsinの方しか考えさせない誘導がほとんどです。

めぐろ塾の安田

実部まで考えてたら、ムダな項が多くなって大変だよ!

同じ流れで7倍角の公式を導かせる誘導も頻出(2016横浜市立大医学部)だけど、これで実部まで考えてたら終わっちゃう。

STEP
\(5\theta=180^\circ\) にして、\(\sin\) (整数) \(\pi=0\)

この記事ではもう \(36^\circ=\displaystyle\frac{\pi}{5}=\theta\) にしちゃってるけどね(笑)

実際に誘導に従って解いてる場合は、この時点で \(5\theta\) に (整数) \(\pi\) を当てはめます。

めぐろ塾の安田

単位円ですぐ分かるけど、「\(\sin\) (整数) \(\pi=0\)」は暗記しておいた方がいいよ!三角関数の積分でチョー役に立つ

これで \(5\theta\) が消えて \(\theta=36^\circ\) のみの式の完成です。

って感じなんですが、ほぼ作業化しておけるのが理想です。

めぐろ塾の安田

受験直前に2016横浜市立大医学部の問題やらせた生徒が、2018東海大医学部でまんま出て、医学部一校しか受けてないのにマグレで医学部生になれました(笑)

導出

ド・モアブルの定理から、

\[(\cos\theta+i\sin\theta)^5=\cos5\theta+i\sin5\theta\]

めぐろ塾の安田

左辺の展開では5個のカッコをイメージして!
\(i^2=-1\) だから、虚部は \(i\sin\theta\) を奇数個持ってきたときにできるよ!

この両辺の虚部に注目することで、

\({}_5\mathrm{C}_1\cos^4\theta(i\sin\theta)+{}_5\mathrm{C}_3\cos^2\theta(i\sin\theta)^3\:\)\(+{}_5\mathrm{C}_5(i\sin\theta)^5=i\sin5\theta\)

両辺を \(i\) で割って、

\(5\cos^4\theta\sin\theta-10\cos^2\theta\sin^3\theta+\sin^5\theta=\sin5\theta\)

ここで、\(\theta=36^\circ\) より \(\sin5\theta=\sin180^\circ=0\) 、また \(\sin\theta\neq0\) であるから、

\[\begin{split}&5\cos^4\theta-10\cos^2\theta\sin^2\theta+\sin^4\theta=0\\\Leftrightarrow\:\:&5c^4-10c^2(1-c^2)+(1-c^2)^2=0\\\Leftrightarrow\:\:&16c^4-12c^2+1=0\end{split}\]

解の公式より、

\[c^2=\displaystyle\frac{6\pm\sqrt{20}}{16}\]

\(c>0\) から、

\[\begin{split}c&=\displaystyle\frac{\sqrt{6\pm2\sqrt{5}}}{4}=\frac{\sqrt{(\sqrt{5}\pm1)^2}}{4}\\&=\frac{\sqrt{5}\pm1}{4}\end{split}\]

\(c=\cos36^\circ>\cos45^\circ=\displaystyle\frac{\sqrt{2}}{2}\) より、

\[\cos36^\circ=\displaystyle\frac{1+\sqrt{5}}{4}\]

1の5乗根の利用

概要

方程式 \(x^5=1\) の解を「1の5乗根」と呼びます。

めぐろ塾の安田

複素数平面上で、「単位円に内接し、点1を頂点の1つとする正五角形の頂点」になったりするんだよ。今回の記事では割愛するけど(笑)

これと前項で紹介した「ド・モアブルの定理」を活用することでcos36°を求めることも可能です。

めぐろ塾の安田

でも受験でこの誘導がつく場合、cos72°やcos144°を求めることがほとんど

なので、ここではcos72°を求めてから、

半角公式

\[\begin{split}&\sin^2\alpha=\displaystyle\frac{1-\cos2\alpha}{2}\\&\cos^2\alpha=\frac{1+\cos2\alpha}{2}\\&\sin\alpha\cos\alpha=\frac{\sin2\alpha}{2}\end{split}\]

でcos36°を導くことにします。

因みに「半角公式」は、先に紹介した「2倍角の公式」を変形しただけですが…

三角関数の次数を下げてくれるから、
「半角公式」が三角関数の公式の中で一番重要

です。

めぐろ塾の安田

「半角公式」を覚えてないなら、数学使って受験しちゃダメ!
金のムダ

他にここで使う知識は2つ。

有名因数分解公式

\(n\) を自然数とすると、

\(x^n-y^n\)\(\:=(x-y)(x^{n-1}+x^{n-2}y+x^{n-3}y^2\)\(\:+\:\cdots\cdots\:+xy^{n-2}+y^{n-1})\)

「1の5乗根」の場合は \(y\) に1を当てはめて簡略化した、

\(x^n-1\)\(\:=(x-1)(x^{n-1}+x^{n-2}+x^{n-3}\)\(\:+\:\cdots\cdots\:+x+1)\)

を覚えてればいいんだけど…

めぐろ塾の安田

前回の記事のここだと「-1の5乗根」だから、\(y\) に-1を当てはめてるんだよね…

だから \(x^n-y^n\) で暗記しておくのがベスト。

めぐろ塾の安田

証明には等比数列の和の公式を使うんだけど、既にこの記事長くなりすぎだから割愛します(笑)

相反型4次方程式の解法

\(a\)\(x^4+\:\)\(b\)\(x^3+\:\)\(c\)\(x^2+\:\)\(b\)\(x+\:\)\(a\)\(\:=0\)

って係数の4次方程式を見たら、\(x\neq0\) を確認してから、

\(x^2\) で割って、\(x+\displaystyle\frac{1}{x}=t\)

っておいとけば、\(x^2+\displaystyle\frac{1}{x^2}=t^2-2\) になっていい感じ

2018慶應義塾大理工の一番最初で出題されているくらい有名です。

めぐろ塾の安田

合格者で解けなかった人はいないはず(笑)
こんなの自分で思いつかないでしょ?だから暗記

因みに「1の7乗根」もたまに出題されますが、相反型6次になるので \(x^3\) で割ります

めぐろ塾の安田

\(a\) を定数として \(〇\left(a^{2x}+\displaystyle\frac{1}{a^{2x}}\right)\)\(\:+△\left(a^x+\displaystyle\frac{1}{a^x}\right)\)\(\:+\:▢\) って形の最大・最小って超頻出なんだけど、これも \(a^x+\displaystyle\frac{1}{a^x}=t\) っておいて、\(a^{2x}+\displaystyle\frac{1}{a^{2x}}=t^2-2\) にして2次関数に持ち込みます。関連させて覚えとくのがベスト

導出

\(x=\cos72^\circ+i\sin72^\circ\) について、ド・モアブルの定理から、

\(x^5=\cos360^\circ+i\sin360^\circ=1\)

∴ \(x^5-1=0\)

めぐろ塾の安田

有名因数分解公式」を使うよ!

\[\Leftrightarrow\:\:(x-1)(x^4+x^3+x^2+x+1)=0\]

\(x\neq1\) より、

\[x^4+x^3+x^2+x+1=0\]

めぐろ塾の安田

全部係数は1で「し・ん・ぶ・ん・し」の4次方程式だから…

\(x\neq0\) より、

\[\begin{split}&x^2+x+1+\displaystyle\frac{1}{x}+\frac{1}{x^2}=0\\\Leftrightarrow\:\:&\left(x^2+\frac{1}{x^2}\right)+\left(x+\frac{1}{x}\right)+1=0\end{split}\]

ここで \(x+\displaystyle\frac{1}{x}=t\) とおくと、\(x^2+\displaystyle\frac{1}{x^2}=t^2-2\) より、

\[\begin{split}&t^2-2+t+1=0\\\Leftrightarrow\:\:&t^2+t-1=0\end{split}\]

解の公式から、

\[t=\displaystyle\frac{-1\pm\sqrt{5}}{2}\]

ここで、

\[\begin{split}t&=x+\displaystyle\frac{1}{x}\\&=\cos72^\circ+i\sin72^\circ+\frac{1}{\cos72^\circ+i\sin72^\circ}\\&=\cos72^\circ+i\sin72^\circ+\cos{\small(-72^\circ)}+i\sin{\small(-72^\circ)}\\&=\cos72^\circ+i\sin72^\circ+\cos72^\circ-i\sin72^\circ\\&=2\cos72^\circ\end{split}\]

\(\cos72^\circ>0\) より、

\[\cos72^\circ=\displaystyle\frac{t}{2}=\frac{-1+\sqrt{5}}{4}\]

めぐろ塾の安田

半角公式」を使って終了

よって、

\[\begin{split}\cos^236^\circ&=\displaystyle\frac{1+\cos72^\circ}{2}=\frac{1+\displaystyle\frac{-1+\sqrt{5}}{4}}{2}\\&=\frac{3+\sqrt{5}}{8}=\frac{6+2\sqrt{5}}{16}\\&=\left(\frac{\sqrt{5}+1}{4}\right)^2\end{split}\]

\(\cos36^\circ>0\) より、

\[\cos36^\circ=\displaystyle\frac{1+\sqrt{5}}{4}\]

まとめ

ここで扱った4つ(文系なら2つ)のcos36°の導出を自分でできるようにしておけば、大学受験で出題されたときに完勝間違いなし!

めぐろ塾の安田

細かいとこまで丸暗記する必要はないよ!
誘導に乗れれば問題ないから

やっぱり凄い長い記事になっちゃったな~、今度こそ短くするつもりだったんだけどね(笑)

申し訳ないm(_ _)m

君の大学受験が最高の結果になることを祈ってます!

看板
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この記事を書いた人

早稲田大学理工学部機械工学科卒。

「武蔵小山駅」7分、「不動前駅」9分、攻玉社・小山台高校から徒歩圏内、日本全国どこからでも受講可能!

な、英数専門「めぐろ塾」で数学を教えています。

チューター等は介さず、高1~高卒までの全学年の数学を、責任を持って一人で指導しています。

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