【大学受験】親ができること

お子様が大学受験を控えている親御様へ。

親御様の頃の大学受験とは全く別物

「センター試験」が「共通テスト」に変わり、難化した。

これは結構ニュースで耳にされてる親御様も多いとは思いますが…

って言ってくる親御様が多くて…

親御様の頃よりも難易度が高い

大学全入時代と言われる今、ただ「大学生になる」難易度は昔よりも下がっています。

しかし、GMARCH以上の有名大に合格する難易度は圧倒的に高くなっちゃってるんですよね。

例：東京理科大理学部数学科

上の通り、300点中で数学200点なんで…

執筆時最新年度2022の問題が東進の過去問データベースにまだ掲載されていなかったため、

プロの僕が2002と2021を解き比べてみると…

共に大問３つ、大問１がマーク式小問集合（40点）、大問２・３が記述式（各30点）で、構成は一緒です。

とゆーわけで、圧倒的に2021の難易度の方が高いです。

もちろん近しい年度でも年によって難易度差はあるんですけど…

問題の難易度が上がってるのに…

だいぶ昔なんで、僕が受けた2002の合格最低点は詳しく調べられなかったんですが、この周辺の理科大理学部数学科の合格最低点は120点／300点満点くらいでした。

英語０点でも、数学200点で６割取れれば受かる計算です。

で、実際に僕は受かったわけですが…

2021の合格最低点は185点／300点満点です！

問題の難易度が圧倒的に上がってるのに、
合格点も約１．５倍！

この20年間でどれだけ難易度が上がってしまっているか、お分かり頂けるでしょう。

なぜこんなに難易度が上がったのか？

2016年度から始まった「私立大学の入学定員管理厳格化」が、有名私立大の難易度高騰に拍車をかけた印象です。

私立大学の入学定員管理厳格化

私立大学では、より上の大学に受かって入学辞退する生徒の数を見越し、入学定員を大きく上回る合格者を出すことがほとんどでした。

その結果、定員を上回った入学者が出ることも多かったわけですが…

2016から段階的に、入学者が定員の下記倍になった場合、国からの補助金がカットされる措置が取られました。

	大規模（8,000人以上）	中規模（4,000人以上～8,000人未満）	小規模（4,000人未満）
2016年度	1.17倍以上	1.27倍以上	1.30倍以上（据え置き）
2017年度	1.14倍以上	1.24倍以上	1.30倍以上（据え置き）
2018年度	1.10倍以上	1.20倍以上	1.30倍以上（据え置き）

• 「国立大学にしか国からの補助金は出ていない」と勘違いされている人も多いのですが、私立大学でも１割以上の財源は国からの補助金です
• 2023年度入試から、定員と在籍生徒数の倍率を、学年ごとではなく４学年の総数で判断する方向に緩和されますが、不交付基準がなくなるわけではありません

医学部受験の有り得ない難易度高騰

首都圏私立医学部では下の方の「聖マリアンナ医科大学」の…

平成元年の偏差値42　→　今や偏差値65

今や全ての医学部は、早慶理工以上の難易度です。

因みに僕は現役で早稲田理工の機械工学科に合格していますが…冷静に俯瞰して…

高得点争いになることが多いので、僕のように英語が苦手だとそもそも無理ってのもありますし…

数学だけで言っても、↓の記事で紹介してるように、

思考力よりも知識量が要求されてしまうので、現役時の僕では今の医学部はムリです。

大学受験で「親ができること」を具体的に

親御様に大分キツイ大学受験の現実を突きつけてしまいましたが(笑)

もう一度言います。

中学校受験までは「親の受験」と言われますが、大学受験は完全に「お子様の受験」です！

大学受験では、各科目で難関大合格に必要最低限いる知識の量も、それを習得するために必要な勉強時間も、あまりに膨大です。

結局、本人がヤル気出さない限り、ムリ！

これを前提とした上で、

良い塾・予備校を見つけてあげましょう

学校の授業や教科書のみでの難関大合格は厳しい

職業柄、有名中高一貫校の生徒の学校のプリントを目にする機会も多いのですが、やはり学校の授業だけでの難関大合格は厳しく思えます。

また、教科書やそれに準拠する問題集は非常に素晴らしいツールではありますが…

今の僕が読むと面白いんですけどね。

塾・予備校に通う科目

コストや勉強時間的な面から考えても、

２次・私大で使う科目のみ

で良いかと思います。

なぜ２次・私大で使う科目の勉強が優先なのか、はこの記事↓でも解説しています。

さらにその中でも優先順位をつけるなら…

って感じです。本当は志望校や受け方によってもっと細かく変わるんですが、ここでは概略だけ。

また、多くの塾・予備校では、理系の数学が二講座扱い（文理共通範囲と理系専用範囲）になっていることが多いことも、コスト面ではご周知頂いた方がよろしいかと。

また、コスト面を気にされない親御様へ。

塾・予備校の授業の入れすぎは厳禁！

です。

自習時間がなくなるくらい塾・予備校の授業を入れるのは絶対に止めてください。

最大でも週４日程度に留めるべきだと思います。

塾・予備校の選び方

因みにここで言う「平均点」とは、「有名中高一貫校、都立や県立の１・２番手校で」とします。

それ以外の高校の場合は「成績上位」と思ってください。

それが済んだら、生徒さんの自主性を尊重してあげてください

良い予備校・塾、信頼できる先生が見つかったら、任せちゃった方がいいです。

少人数制の塾をメインに20年間生きてきた手前、親御様と面談する機会も多いのですが、

とか気合入っちゃってる親御様に…

って説明するのが大変…

ここ３年での僕の生徒のトップ層、

• 2022年度受験で、一橋大に現役合格（しかも首席合格）した生徒
• 2021年度受験で、東工大に現役合格した生徒
• 2020年度受験で、東大文Ⅱに現役合格した生徒

これらの生徒の親御様とは、お会いしたことも、電話でお話ししたことすらありません。

下手に口出しせず、生徒さんの自主性に任せる。

僕が上の生徒達の親御様からご信頼を頂いていたかどうかは分かりませんが…

先生に丸投げできるように…

信頼して任せられる「塾・予備校を見つける」作業は、くれぐれも慎重に行ってください。

脅すなら、「勉強しろ！」より「塾・予備校を辞めさすよ？」

そーゆーときに、

って言うのは逆効果です。

なのでオススメなのは…

特に少人数制塾だと、「友達ができて楽しい」とか「信頼してる先生に見放されたくない」ってゆー側面があるんで、かなり有効だと思います。

ただ、二浪は絶対にさせないで！

明確な理由がありまして…

３年以上のロスがある場合、新卒採用でなくなる！

からです。

大学では結構「留年ってフツー」なんですよ。

進級が厳しいので有名な東京理科大は、各学年の平均留年率が２割くらいあります。

１回程度留年する可能性は考慮しておいた方が良いので、医学部以外で二浪は考えないでください。

願書とかはお願いします

まさに執筆時は出願シーズンですが…

結構願書出すのって面倒くさくて手間がかかるんですよね…

この時期は過去問対策とか共通テスト（執筆時はまさにこの二日目です）とか、受験生はやること盛りだくさんなので。

負担を減らしてあげてください。

まとめ

自分の頃よりも大学受験の難易度が高いことを理解する。

良い塾・予備校を見つけて、過干渉せずにお子様の自主性に任せる。

長い記事にお付き合い頂き、ありがとうございましたm(_ _)m

お子様の大学受験が最高の結果になることをお祈り申し上げます！